コラム

  • -第14回-虎は死して皮を留め、人は死して何を残すのか。
    死ぬ、ということは何なのだろう。虎は死して皮を留め、人は死して名を残す、というのが、戦国時代などで武士が戦場へ赴く心得として、定番の答であった。 死ぬことが日常茶飯事で人の命が羽のように軽く武士は何より名誉が重んじられる時代、このような考え方であっただろう。現代でも、地位や勲章にこだわる人もいるし、いじめや追いつめられた感情の結果がその人の存在を否定されたように感じ、それ以外の解決がないかのような思い込みに駆られて、死を選ぶという悲しい事件になることもある。   しかし、人は死んで、本当に何を残すのだろう。 「お金を残す」のが、一番だろうか。お金や有形無形の財産を残すことは、自然な行為のようではある。しかし、財産、お金を残せば残すほど相続争いの発生が目に見えるようだ。 私な...